「化学肥料は作物にとって害なのでしょうか?」
植物は、窒素やカリウムなどの無機物を栄養として育ちます。栄養分豊富な有機肥料も、土中菌に分解されて、やっと植物の栄養になるのです。また、有機肥料も無機肥料も植物にとって栄養であることは、変わりません。有機肥料に含まれる有用菌や微量栄養素は美味しい野菜を育くみますが、これらは良質の堆肥からも供給できます。
作物によっては大量の窒素分が必要なものもあります。これを全て有機肥料で補おうとすると、他の栄養成分が多く入りすぎる弊害も起こります。
一般に言われている化学肥料による害は、「作物を大きくするための肥料のやり過ぎと、畑に残った過剰な栄養分による環境破壊」です。不自然なまでに大きく育てる、見た目優先の農業の弊害が出た形です。逆に言えば、有機肥料でも与え過ぎれば弊害は出ます。必要な栄養分が、適切に供給できなければ、有機肥料でも無機肥料でも、作物は上手く育ちません。
大切なのは、畑の中の栄養分や、水、バクテリアの状態を含めた土全体のバランスです。土の状態を作物にとって最適にするために、無機肥料を使うことは悪ではありません。環境づくりに最適であれば、有機肥料でも無機肥料でも使います。私たちは地中の栄養分を測定し、全体のバランスを崩さない健康な畑作りを行っています。